イャオエコの図書館 超常の存在

§ 四. ディトゥア神族

 古神達によって創られ、支配を余儀なくされていた原初の民。それがディトゥア達である。
 原初世界や“始源の力”、また古神達と同様に、ディトゥアはもともと“色”を内包していなかった。
 時を経て、アリュゼル神族が原初の世界に帰還したとき“原初の色”がもたらされた。これが“色”という概念のはじまりであり、魔力の源でもあるのだ。。
 古神は“原初の色”を忌み嫌い、頑なに否定し続けたが、ディトゥア達は“原初の色”を受け入れた。その結果としてディトゥアには感情という概念が芽生え、アリュゼル神族達にとって古神達を追放する助けとなったのだ。
 古神達が消えて原初世界がアリューザ・ガルドとして創造されるなか、ディトゥア達はヴァルドデューンの力によって神々へと昇華する。とはいえ、アリュゼル神族の持つ絶対的な力に比べるとその力は弱く、永遠の存在とは言えない(イシールキア、ニーメルナフを除く)。
 さて、執筆者たる私マルディリーンもまたディトゥア神族である。父に“慧眼の”ディッセを持つ。母のことは存じない。私もいずれ夫となる人を持ち、子を得て、やがて老いて死ぬのだろうか? ディトゥアの寿命は人間と比べものにならないほど長いとされているだけで、詳細は誰も知り得ていない。

 ディトゥア神族は長きに渡ってアリューザ・ガルドの運行を任されており、アリューザ・ガルドの世界にも時折、神によっては頻繁に姿を見せる。ただし、世界の運命を切り開く役割は人間のものである。ディトゥア神族は時として人間に力を貸すも、人々を導いて世界を動かすことは稀である。

イシールキア
 ディトゥアの長。
 イシールキアとは神の言語タス・アルデスで発音され、“並びうる者のない導き手”を意味する。
 不死の生命を持ち、ディトゥアでは唯一、アリュゼル神族と同等の力を有する。
 東西南北、四方の象徴である四匹の聖獣をヴァルドデューンから授かっている。
 アリューザ・ガルドに干渉することは極めて稀である。

ニーメルナフ
 イシールキアの妻。不死の生命を持つ。死者の魂を浄化させる役目をになう。
 “大暗黒紀”においては冥王ザビュールにより天魔《デトゥン・セッツァル》と化し、冥王の右腕となっていた。
 だがのちに叛旗を翻し、彼女によって戦いは終局へと導かれた。その功績を天帝ヴァルドデューンより称えられている。
 紺碧の大鷹、“弔いの”レルカーンを従属させている。

ハウグイード
 裁きの神。かつての人間達、諸種族の増長によって勃発した大戦争の際、争ったそれぞれに戒めを与えている。

ファルダイン
 樹木を司り、ウォリビア地方の“世界樹”に住まう。森の民、エシアルルからは彼らの王として崇められている(血の繋がりはない)。

ルイアートス
 “土の界《テュエン》”のかつての王。八本腕の神。
 “黒き災厄の時代”での冥王ザビュール降臨の際、その腕を切り捨て聖剣ガザ・ルイアートを創りあげる。彼自身はそのために力を失い、“魔界《サビュラヘム》”のものの手に掛かり、命を落とした。

レオズス
 “宵闇の公子”。
 闇を司り、“黒き災厄の時代”のザビュール降臨の折には英雄イナッシュと共に“魔界《サビュラヘム》”に乗り込んだ。
 後に“魔導の時代”においては“混沌”に魅入られ世界に君臨するも、デルネアらによって倒された。
 神々の罰を受けてバイラルとして転生を続けたが、その後に記憶と力を甦らせ、レオズスとして復活を遂げている。
 (過去の罪はディトゥア神族によって赦された)
 聖剣ガザ・ルイアートの強大な“力”に影響されない存在であり、失われた聖剣を探索する任務を受けている。

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